Movie heart beat
Mhb vol.1068
2009年06月27日 19時00分 発行
「剣岳 点の記」2009年日 ☆3.9
木村大作監督。浅野忠信、香川照之出演。
明治40年。日本地図を作るために全国各地を測量してきた日本陸軍。その陸軍測量手の柴崎にある特命が下る。いまだ測量にいたっていない前人未到の剣岳を、誰よりも早く制覇するという困難な命令だった…。
最近の日本映画には珍しく、丁寧な演出、静かなカメラがいい。
木村監督は日本を代表する名カメラマンであるが、この映画のカメラは映しているものをじっくりと見つめるような誠実な感覚を受ける。人物のやり取りも、画面の空間のバランスがとてもいいし、何よりも自然の圧倒する美しさは、今までみた日本映画でもっとも美しいと断言できる。
主演の浅野忠信という俳優は、不思議な俳優である。一見するとまるで能面の顔だが、狂気や優しさ、誠実さや不気味さなど、映画によって事も無げにさりげなく一つの澄んだイメージを投げかけてくる。この映画では、誠実で冷静な測量チームのリーダーを演じている。
この作品を見ながら「モンゴル」で主演した俳優と同一人物であることが信じらなかった。
そしてもう一人、香川照之が凄い。本当の演技力、本当の映画俳優とは、まさしく彼のことを言うのだろう。
この映画は、特別に特異な展開や面白みばかりが詰まった派手な作品ではないが、自然の美しさ、努力の美しさ、そして人々の絆を、極めて誠実に描いた作品である。
見れば、自然の美しさや厳しさに包み込まれる。そんな貴重が体験が出来る。
そして、仲間が一つの目標に向かって力を合わせていくことの意義を教えてくれる。
是非、映画館で見てほしい作品だ。
text by dk
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